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なるようになる・・・

Lilleへ、そして再びLilleへ・・(その2)


毎朝10時前後、バイクに乗って郵便屋さんがやって来ます。
郵便受けを見ると2通の手紙。

1通目は『結婚証明書』。
1ヶ月ほど前に最寄りの警察署で滞在許可書更新を申請した際に提出した「結婚証明書」の発行が3ヶ月以内ではないので新しい証明書を提出して下さい・・と言われました。
今はネットから発行依頼が出来るので便利ですが、3週間ほどかかりました。

2通目は<北フランス県庁>から私宛に?





滞在許可書更新の手続きの用紙です。

*申請者とその配偶者の婚姻関係を証明する書類を2つ提出し、フランス人の配偶者を伴って
 出頭すること。

・・とあります。

案の定、『婚姻関係を証明する書類』とは具体的に何なのか?
何時?
どこで?・・・という表記はないので県庁に電話で問い合わせます。

結婚証明書でもダメ。
婚姻事実が書かれた戸籍謄本でもダメ。

社会保障の書類以外に、受け付けてくれるのは<CAF>の書類。

<CAF>とは家族政策の一環としてフランスでは60年前から存在する福祉手当
<CAF(les Allocations familiales accompagnent les familles)>。
家族手当、
乳幼児及び養子手当、
単親手当、
公認保母雇用援助手当、
再就職手当、
新学期手当(学用品購入の為に生活困窮家族に支給される)
住居費補助手当等々・・・。

フランスではあらゆる手当が存在します。
CAFの手続きをすると、書類に夫婦2人の名前が記載されます。
しかしながら、日本在住の長い私達。
CAFは特に手当が必要な場合のみ申請するものだと思っていたので、手続きをしておらず当然書類がありません。

すると電話口の人は水道又はガスと電気の請求書でも構わないということで、
その書類を提出することにしました。

善は急げと今日中に手続きすることに決め、Lilleリールにある県庁に夫と車で向かいます、

2日前とはうって変わって、本日は気温がぐんぐん上がり29℃、真夏のような日差しです!
雲一つないリールの青空です♬

 Lilleへ、そして再びLilleへ・・(その2)_c0225827_1842564.jpg


県庁は街の中心にありました。
昔のレンガ造りの枠組みを残しつつ、ステンレスなどを使ったモダンな建物です。
電話で予約は不要、昼も受付可能(フランスではどこでもお昼休みがあるので12時〜14時までは全て閉まってしまいます)・・ということでしたので12時半に受付へ。

直ぐに整理券を貰い、椅子に座ってると電光掲示板に私達の番号が点灯。
指示された部屋に行くと、優しそうな女性が明るく「こんにちは!Bonjour!」と挨拶してくれました。
書類を提出すると、「それでは今から面接をします」っと言われちょっとビックリ!!
面接があるとは思っていませんでした!!

質問の内容は

子供はいますか?仕事をしていますか?という一般的な質問から始まり・・

1)フランスのシンボルとなっている肖像は? マリ=アンヌ!
2)フランスの国民の休日(Fête Nationale)はいつ? 7月14日!
3)フランスの旗の色は?  青、白、赤!
4)フランスの大統領の名前は?  ニコラ・サルコジ!
5)フランスの首相の名前は? フランソワ・フィヨン!

まるで「アメリカ横断ウルトラクイズ」(・・ここで笑って頂ける方は私と同世代かも!)

質問は続きます・・
面接官の女性・・「ちょっと・・なんていうか・・変な質問なんですけれど・・例えばサッカー観戦に行きます。サッカー場で『ウぉ〜ォウ、オぉ〜オ』っと叫んでいますが、それは法律で認められているでしょうか?」

・・・へっ?

私があまりにも鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているので、彼女は
「あの・・だから・・公共の場所で『ウぉ〜ォウ、オぉ〜オ』・・と叫ぶのは法律に反することでしょうか?」

横にいる夫は驚愕の表情・・・。

・・つまりは自由の制限を問いたかったのだと思いますが、
「法律がどうこうというより常識的に考えて公共の場所で『ウぉ〜ォウ、オぉ〜オ』はダメだと思います。
でも、叫んでる方はあらゆる場所でよく見掛けますけれど・・」っと返答。

正解はサッカー場内なら大声を出してもOK。公共の場所ではNG・・ということでしょうか。

「それでは・・フランスでの『男女平等』を例を交えて言って下さい」

この質問は面白いなぁ〜と思います。
給料や勤務時間、役職や育児休暇の話をしました。

「それではこれを読んで下さい」っと言われ、提出書類の一部を読み上げます。
2行目で「もう結構です・・・」とのこと。

そして最後に【Dictée】(書き取り)・・。
「私が言う通りに書いて下さい」と言われ白い紙を渡されました。

「Je soussignée OO OO, m'engager à respecter la loi de la république française・・・」
「私、OO OOはフランス共和国の法律を尊重し、それに従うことに署名致します」

冷や汗ものでした・・。

最後に彼女が、
「正式な滞在許可証は10年間。だから10年間はこんな変な面接をやらなくていいからね」っと
ウインクしながら仮の滞在許可証を渡してくれ無事終了・・・。

びっくりしたのは県庁を出てすぐ「フランソワ・フィヨンって誰?」っと夫が聞いてきました・・・。
フランス滞在不許可!!(笑)

ところで新しい『結婚証明書』の提出に関しては、なにも言われなかったんですけれどぉ・・。
所変われば、人も変われば、すべて変わるのがフランスでございます。
by mavocation | 2010-06-04 17:17 | フランス
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